アキレス腱痛のコンディショニング1ではコンディショニング概論、全般にわたって説明をいたしました。アキレス腱痛のコンディショニング2では臨床における例をもとに実践的なコンディショニングについて述べていきます。
病態とメカニズムの理解
アキレス腱の痛みにはいくつかの要因があるといわれています。
①アキレス腱と周囲にあるパラテノンという鞘の摩擦によって生じる痛み
②アキレス腱自体の繊維が損傷されていて痛みがでているもの(微細断裂による炎症)
③アキレス腱とその周囲にある滑液包(座布団みたいなもの)の炎症
④上記が混在
・初期では運動を行うと温まって痛みが消失し、練習が可能な場合がある。
・そのために我慢をして練習を繰り返し悪化、慢性化させてしまうので一定の安静期間を設ける。
・心臓から遠いため基本的に血流が悪く、身体的特性によっては治癒が遅い。
・人によってはアキレス腱部の変性によって治癒が長期にわたる。
・内側、外側、中央と痛みが異なる場合がある
一口にアキレス腱の痛みと言っても要因や機序は様々です。
③なんかはわかりやすいです。アキレス腱と踵の骨の付着部あたりをつまむとブヨブヨ感が
あります。痛みは一瞬針に刺されたような感覚です。
①とか②ですとふくらはぎのストレッチをかけると痛みます。
実際には④のように混在していることもあるので、痛みの場所や動きの確認をしてみるのもします。
そもそもアキレス腱炎は腱自体の微細断裂、腱周囲の組織の変性、踵骨後部滑液包の炎症などいくつかの要因により痛みがが発生していますし、混在することもあります。
またふくらはぎの筋肉の柔軟性低下、足底、足指の機能低下も関係してきます。
動きとしても足首自体の動きに偏りや制限があると結果的にアキレス腱などへ負担がでやすくなります。
確認してみると比較的痛みの出現が高い、右足の方にいくつか制限や既往歴がありました。
もちろん単純に走り過ぎ、使い過ぎという見方もできますね。
そこでアキレス腱治療後は「トレーニング計画」「生活習慣での要因」でのアドバイス、動きのアドバイスをいたしました。
アキレス腱痛のコンディショニング
ストレッチをして「切れるような痛さ」があるときはまだ実施するべきではありません。
いわゆるストレッチ感を感じられるようになってから、ふくらはぎ、アキレス腱のストレッチを行いましょう。
アキレス腱は端的に足裏、ふくらはぎ、太もも裏、お尻、腰くらいまでの「つながり」があります。
ストッキングのイマージです。
ですから、アキレス腱周囲の痛みがあっても裏腿やお尻のストレッチは行うことが大事です(患部
「日常生活、階段昇降、ウォーキングで痛みがない。」まずこれが大前提です。
プラスして「踵を上げた状態での片足スクワット~片足ケンケン」をおこなってみましょう。
もし痛みがあればまだ「完治」といえません。また痛みがなくてとも上手くできなければ少し練習をするべきです。ランニングというは片足ジャンプの繰返しなので、このエクササイズができていないと再発や他部位のケガにつながります。
とにかくも心臓からは遠く、血流が悪くなりやすいため、治癒過程としては遅くなるリスクもあります。
ランナーでない方も急な走り出しなどには注意が必要ですから、普段から「ストッキング周囲」のストレッチはおこないましょう。
。
Author:行方悟郎 Goro NAMEKATA
中学校から本格的に陸上競技(長距離)を始め、大学では箱根駅伝をめざすも、足のケガ・手術(梨状筋症候群)もあり、伸び悩み挫折を味わう。
大学卒業後は一旦ランニングから身をおくが、再び「陸上競技、マラソンで自分の経験を活かしたい」とトレーナー・鍼灸師、コーチ、そしてランナーへ
PB/Half1:22:48 Full2:59:37
飛騨高山ウルトラマラソン100㎞完走8回
チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン120㎞完走
◆鍼灸師
◆(公)日本陸上競技連盟B級トレーナー
◆ピラティスリーダーシップコンセプトマットⅠⅡ修了
◆認定心理士
◆習志野高-流通経済大学-トライデント医療看護専門学校

コメントをお書きください