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病気の作因は病気の原因ではない

今から30年以上前、パジャマ姿の三宅裕司さんがしゃがれた声で「風邪は国民の休日っ!」とさけぶ佐藤製薬さん風邪薬のCMがありました。

会社にいきたくない(風邪のせいもある)という心情と風邪なら堂々と休めるという着地点を三宅さんの演技と相まって印象的なCMだった。


30年経ってもブログに綴る奴(私)がいるくらいだから。

・・・・

私は三宅さん好きというか馴染みが強い。

 

小学生4、5年のころ「三宅裕司のヤングパラダイス」という深夜ラジオをちょくちょく聴いていました。時には録音して聞いてました。わりと大人が聴くようなラジオ番組ではありますが、こどもが聴いても笑えるコーナーなどもあったし、それを三宅さんが面白く演じていた。そしてどことなくシュール感があった。


またそういったラジオを聴いているという、少し子ども社会から逸脱をしている自分に少なからず酔っていたのだろう。
とにかくも今は軽々しく「風邪は国民の休日」なんていえなそうではある。

©Sato Pharmaceutical Co.,Ltd All Rights Reserved.
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例年、年間4千万人が風邪で通院

さて細菌やウィルスは人間に影響する特定の条件下で、直接的に作用して「症状(発病)」を起こさせます。

たとえばインフルエンザウィルスは気管支内膜に侵襲し炎症反応が起き、違和感、咳を引き起こします。

そこで一つの疑問が湧いてきます。

満員電車、学校教室など同じ場所、空間にいて、インフルエンザウィルスが体内に入って発病する人もいれば、発病しない人もたくさんいる。

 

それはなぜか? 
免疫なのか?

何か見えない力なのか?

 

ひとつ言えるのがインフルエンザウィルスは病気の作因でしかなく、宿主に危害をあたえる”タイミング„を待っているだけだからということです。

その”タイミング„は相対的に健康状態の変動によってもたらされる。体内の「なんらかの平衡」が崩れたその瞬間に病気の作因は活動的になり繁殖し宿主を害します。

 

しかし「なんらかの平衡」は免疫系?遺伝?その他の力?明確な断定はできないブラックボックスともいえるでしょう。


風邪症候群ウイルスはこの世から消滅しない

病気の作因(外部因子)は他にも以下が考えれます。
・ウィルス
・細菌
・バクテリア
・原虫
・発がん物質
・アレルゲン
・なんらかのストレス

 繰返しになりますが、これらは病気の原因ではなく、単に危害を与えるタイミングを待っている作因なのです。

これらの作因は至る所で形を変えたり、必ずしも視認できずに、すでに体内に取り込まれているものもあります。(例:帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルスは神経根等に潜み、体調悪化とともに増殖し、発症)
ですから、これら病気の作因をすべて排除・消滅させるという希望は非現実的で不可能です。

むしろ、それらとバランスを保ちながら生きることを学ぶことに力を注いだほうが効率的、現実的だと思うのです。例えば風邪症候群ウイルスはヒト社会から消滅することは絶対にありません。

消滅しないものに対しての強化された防御的体制は、「一時的」ではなく、「永遠」になってしまうわけです。それは人間としての社会や、文化の崩壊に近いと思うのですが・・・・。

 

風邪は国民の休日というのはさておき、万人においては「心身を休ませよ」というサインではあることには違いないのです。