心身一如

人間のからだは、自分の意思で動かすことができること(運動神経)以外、全て自律神経によってコントロールされています。

消化器系、体温、血流、血圧、血糖、ホルモン、神経伝達物質など、全て自律神経でコントロールされています。

従って、自律神経が変調をきたすと、免疫系、内分泌(ホルモン)系が異常をきたし、さまざまな症状が現れます。

 

簡単にいいますと自律神経は感情面の影響も多くうけます。

 これは脳の構造機能として、自律神経の中枢となっているのが視床下部ですが、大脳辺縁系(食欲、性欲、睡眠欲、喜怒哀楽など情動をつかさどる)の影響を強く受けているからです。

 

たとえば階段で危うく足を踏みはずしそうになったとします。

 

この時大脳辺液系に生じた「恐怖」という情報が視床下部に伝えられて、それを受けた視床下部は自律神経に指令をして、交感神経を興奮させます。

 

すると心臓はドキドキと鼓動を高めます。

街で好きな人にばったり会っときの胸の高鳴りもこれと同様で視床下部が自律神経に指令を出しているからです。

 

これらは心臓に対しての一例ですが、同じように瞳孔、唾液、気管支、胃腸など様々な臓器に影響を与えています。

 

まさに心身一如を体現しています。


 ですのでどうやっても「こころ」と「からだ」は切り離すことはできませんし、切り離して考えるのは本来無理があるといえるでしょう。

また人間はいつも本能や感情のおもむくままに行動しているわけではありませんよね。

 

時には欲求を抑えて我慢するように感情をコントロールします。

こうした能力はほかの動物にはないもので人間が我慢したりできるのは大脳皮質の働きによるものです。

 

ダイエットのために食べるのを我慢したり、悲しいのに泣きたいのをこらえるたりするのは大脳皮質で生じた理性が働いています。

 

理性、我慢というのは人間が社会生活を営む上では重要なものです。

 

しかし、こういった制御が過度に作動すると大脳皮質、大脳辺縁系、視床下部といった間のコミュニケーションがうまくいかなくなり、自律神経の不調につながる時もあるのです。

 

ですから大脳皮質もまた間接的に自律神経に影響を与えているといれます。

 

言葉で「適度」というのは簡単ですが、実際は難しいところであります。

 

だったら自分で「適度だ」と納得できればいいのかもしれません。

 

このての話は綴る始めると終わりませんのでまたの機会に綴ります。